気候がよくなると外に出たくなるのは、熊も人間も同じ。編集の須藤です。
最近山がらみの撮影をしたことがきっかけで、ハイキングに目覚めそうです。なのでハマるかハマらないかも含めて、このブログで逐一報告しようと思います。
ただ、まわりにハイキングをするひとがおらず、何から始めていいのやら迷った挙句行ったのが荻窪の「マウントフレンド」。1967年開業の荻窪の老舗です。
登山用品とクライミング用品が揃っていて、やや最近のアイテムもありつつ、ひと昔前のものも。スペックは発展途上だけれどデザインがかわいいものが多くて、どんな用途かわからなくても不思議とワクワクしました。
山好きのご夫婦とその親戚で営んでいる「マウントフレンド」は、実は2ヶ月ぐらい前にもふらっと行ったことがあって。そのときはコーヒーやお茶を出してくれる、昔ながらのおもてなしスタイルでした。たまたま来た常連のおっちゃんは戦時中の話をカジュアルにしてくれて、聞けば海外のあの山もこの山も登ったことがある玄人。生命力の強さを感じつつ、こんなひとが信頼している店ならと「マウントフレンド」に対する眼差しも変わりました。
数日前に行ったときはまずはシューズをと思っていたんですが、金額に足がすくみ…ひとまず直感的に気になったものを適当に買いました!
カラーリングがかわいいポーチと、軍手。実用性がとびっきりなさそうなのですが、素人ゆえご愛嬌。ポーチは2つの口からそれぞれ荷物を入れられる仕様で、絞ることもできて、さらに色が違うからどっちに何を入れたかがわかるという! きっと玄人からしたらそんな当たり前のことをという感じでしょうが、ただただバイカラーに惹かれて買った私からしたら、実用のための配色なのかと驚いたわけです。
そして軍手はこちらも渋カラーの掛け合わせにグッと来て購入。ビビッドなシェルとかに合わせて、適当な軽作業のときに使おう。
そして何より収穫だったのがこちら。店内の一角にオーナーさんたちの私物コーナーがあって(100冊くらいあった)、もう読まないからとタダでくれました。しかもハイキングのバイブル本である『遊歩大全』上下巻まで!
ファッションも山も、何事も基本やクラシックなものを知ってから! そう言い聞かせて、出勤リュックが重くなることも顧みず、ここ数日読み漁っています。すでにめくるめく魅惑のハイキング世界へと誘われているわけですが、あの文章はすごいですね。訳書ですが、著者が見て触れて感じたことのその一切が、平易で明快かつ情熱的な言葉で綴られていて、山を登ったことのない私でもなぜか情景が浮かんでしまう。でも綴られている文章のなかでわからない感触がいくつかあって、それを山に行って確かめたい衝動に駆られています。
そんなわけで始まりかけている、わたしのハイキング道。果たして道具は手に入るのか入らないのか、山に行くのか行かないのか。親が子に向けるような優しい目でぜひ見守ってください。
(たぶん)つづく。
ちなみにこれは、同日に土方の作業着ショップで手に入れた靴下。5足セットで1000円。しかもこの色の組み合わせ!勝手な偏見で土方のひとは原色とか黒とかを履いているイメージだったので、こんなニュアンスカラーと蛍光の靴下が売られているとは…。専門店も掘りがいがありそうです。