編集部の常重が現地からお届けする、パリメンズファッションウィーク。滞在3日目ともなると、すれ違うパリジャン・パリジェンヌとの「ボンジュール」もすっかりお手のものです。
この日の1発目の予定は12:00の〈ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)〉のRe-seeから。すこし朝はゆっくり。しかし我々は少しの時間も無駄にはしませんよ! 今日はゆっくり寝るかー、だなんてもってのほか。
向かう先は、パリに来たなら行ってみたいと思っていた3つのショップ。
まずは「THE BROKEN ARM」。編集者によって立ち上げられたショップということもあり、やはり圧巻のラインナップでした。HPやインスタはよくチェックしていたので知ってはいたのですが、ラックや棚に並べられた最旬のアイテムたちを見るとテンションが上がらないわけはありません。まさにしっかりと編集されたショップという感じ。
ハイブランドに次いで目についたのがこのスニーカーの棚。圧倒的な〈アシックス(ASICS)〉の量に勝手ながら誇らしくなってしまいました。買うかギリギリまで迷いましたが、ここは我慢。次へ向かいます。
本屋「Ofr.」。ファッション、建築、アートなどなど、所狭しと並べられたさまざまなジャンルの写真集や書籍に再びテンション爆上がり。
オリジナルのスーベニアもかわいくて、トートバッグやTシャツ、パーカなどがありました。
そして「Dover Street Market Paris」。まあここは行っとかなきゃですよね。ぼくと石井には目当てのアイテムがあり、それは…。
日本でもファンが多いパリのヴィーガン・レストラン「Jah Jah」と〈コム デ ギャルソン・シャツ(COMME des GARÇONS SHIRT)〉のコラボです! 発売日に行ってきました(笑)。
いくつか型数はあったんですが、ぼくたちが特に気になったのがこの2枚。買っときゃよかったかな。いまこのブログを書きながら写真を見返していてすっごく後悔してきました。滞在期間中、再訪の可能性アリです。
ここらでショップ巡りはいったん終了。〈ルイ・ヴィトン〉の会場である「ルーヴル美術館」へ向かいます。
敷地内一画に特別にセットされた今回の会場。なかにはこんな夢のような空間が広がっていました。
中央には今回のショーで発表された2025AWのアイテムが。そしてそれを囲むように24個のショーケースが連なり、〈ルイ・ヴィトン〉、ファレル・ウィリアムス、そしてNIGO®による貴重なアーカイヴの数々が並んでいました。
2024年春夏コレクションから新たなメンズ・クリエイティブ・ディレクターにファレル・ウィリアムスが起用されたわけですが、NIGO®との協業は就任後初。
「え…NIGO®さん!?」と思わず言ってしまうそうになるマネキンや、日本のエッセンスがふんだんに落とし込まれたアイテムの数々は見応え抜群でした。
続いて向かうは〈トム ブラウン(Thom Browne)〉のRe-see。あ、Re-seeとはつまり展示会のこと。ショーの翌日などに設けられ、コレクションに実際に触れられるナイスな機会なんです。
キーワードはクラシック。そしてアイビー、ハンティングといったところでしょうか。もちろんこれまで培ってきた圧倒的〈トム ブラウン〉の世界観は一切ブレることはなく、その上で新しいクラシックさを提案しているようでした。
気になったのはメンズのスカートルック。ちょうどプレスルームにモデルがいたのでパシャリ。自分が着られるか、と聞かれると返答に迷ってしまいますが、男性用スカートが軍服の欠かせない要素だったり、スコットランドの民族衣装のキルトであったり、国によっては確かなカルチャーとしてその歴史を現代に繋げています。
とはいえ、そんな歴史的背景、文化的背景を知ってもなお、少しまだ自分にはハードルが高そうです。意外とアリだったりするのかしら。
展示会が続き、次はこの日唯一のショー。今回のスケジュールのなかで個人的に特に気になっていたブランドのひとつ〈ウォルター・ヴァン・ベイレンドンク(WALTER VAN BEIRENDONCK)〉のコレクション発表です。
言わずと知れたアントワープ・シックスのひとり。そして一際異彩を放つブランドです。
ショー会場には謎の生命体があらゆる角度で並べられていました。これの使い方は後ほど明らかに…。まずは気になったルックから。
宇宙人の友人とひまわり畑を駆け抜けるという夢からインスピレーションを得てつくられたという今作。
街を歩けばシルエットはまるでマトリョーシカ。そんなシーンに警鐘を鳴らしているかは不明ですが、あらためてファッションの自由さをウォルターが教えてくれた気がします。
ブランドにもよるけれど、ランウェイを歩いたモデルは再びバックステージに戻りフィナーレに備えることが多いのですが、〈ウォルター・ヴァン・ベイレンドンク〉のショーでは歩き終わったモデルが謎の生命体の上に腰かけていくスタイル。これ、そういう用途だったんですね。興味深い演出でした。
この時点ですでに夕方ですが、まだまだ1日は終わりません。
と、ここで初の雨。しかも割と土砂降りな感じ。頭から爪先まで満遍なくしっかりと濡れました。あれ、なんかパリでの水難多くない…?
あえて傘を買わないスタイルで足早に向かうは、昨年9月に「TOKYO FASHION AWARD 2025」を受賞した4ブランドの合同展示会。
次の予定がすぐそこまで迫っていたので、この日は挨拶のみ。〈カネマサフィル(KANEMASA PHIL.)〉、〈パラトレイト(paratrait)〉、〈タム(Tamme)〉、〈トキオ(tokio)〉の次世代を担う4ブランドが、東京都と一般社団法人日本ファッション・ウィーク推進機構の支援のもと堂々たる展示をしていました。
後日、また必ずまた来ることを誓いつつ、次の会場へ向かいます。
この日の最後の予定は、〈クラークス(Clarks)〉のイベント。今年2025年に200周年を迎えるんですって。本当にすごいことですよね。この日はそれを記念した特別ムービーの上映会ということで、ワクワクしながら席に着きました。
内容はというと、これまでの歴史を振り返りながら、関係のある方々にコメントをもらうというもの。いやぁ、錚々たるメンバーでした。後日一般公開もされると思うので、楽しみにしていてください!
上映後はトークショー。映像を担当したディレクターのセット・フリー・リチャードソンに映像にも登場していたデザイナーのマーティン・ローズ。そしてラッパーのヤシーン・ベイ(モス・デフ)など豪華面々が揃いました。
トークショーの内容は分かったり分からなかったり。英語ってやっぱり必須だよなぁとあらためて痛感しました。ボンジュールとか言ってる場合じゃないね。
では、また。