BLOG - フイナム編集部

ファッションウィークから離れ、パリのとっておきのスポットへ。

パリ・メンズファッションウィークは3日目に突入。今日も編集部の村松が現地からリポートします。

この日は〈オム プリッセ イッセイ ミヤケ(HOMME PLISSÉ ISSEY MIYAKE)〉のショーからスタート。左岸にある国営の文化施設「モビリエ・ナショナル」の中庭をランウェーに見立て、舞台には頭の部分がゆっくりと揺れる装置が並べられました。

風をテーマにしたコレクションは、視覚的なデザインや素材使い、フォルムの動きで軽やかさを表現。それはプリーツの可能性を押し広げるような、モダンな服の数々。かつてぼくはプリーツの服に対して歳を重ねた大人たちが着るものだと勝手に感じていたのですが、いまそのイメージはありません。年齢も性別も関係なく、あらゆるひとたちが楽しめる服という認識です。

〈オム プリッセ イッセイ ミヤケ〉の後はファッションウィークから離れてパリの街を巡ります。

最初に向かったのは昨年9月オープンの「メゾン・ゲンズブール」。その名の通り、ここはフランス人アーティストのセルジュ・ゲンズブールにフォーカスしたスポットです。

2ヵ所で構成されていて、ひとつがゲンズブールが22年間、1991年まで暮らした自宅。もうひとつが道を挟んだ向かいにあるスーベニアショップ&カフェバーの「Le Gainsbarre」です。

彼のファンたちによる思いのこもった落書きが重ねられた、自宅の壁は圧巻。そこだけ明らかに異質です。平日の昼間にも関わらず「Le Gainsbarre」にはたくさんのひとの姿が。ここで売られていたTシャツが素敵で購入させてもらいました。

続いて左岸から右岸に移動して目指したのは「ガリエラ美術館」で行われている、イタリア人のファッションフォトグラファー、パオロ・ロベルシの写真展です。

彼は80年代初頭、パリに進出したばかりの〈コム デ ギャルソン〉をいち早く撮影し、その後、〈ヨウジヤマモト〉や〈ロメオ ジリ〉といったブランドのビジュアルを手掛けたことでも有名です。

会場に飾られたどのプリントも目に迫るような強さと美しさを備えています。それらを一点一点見てまわると、ここにあるファッションフォトは時代を経ても色褪せることはないと実感。スマホの登場で写真というメディアが身近な存在になったいまだからこそ、パオロ・ロベルシの作品はより特別なものに感じられます。

飾られたさまざまな作品のなかには若かりし頃のケイト・モスを捉えたものも。

「ガリエラ美術館」の後は、ヴィンテージのフットボールシャツを扱うショップへ。今回、ぼくはパリ2区、ボンヌ=ヌーベルのホテルに泊まっているのですが、周辺をGoogleマップでリサーチしていたときにこの店を発見。行ってみると1990年代から2000年代くらいユニフォームやキャップ、マフラーがずらりと並んでいました。ゲームシャツが好きな方には堪らないスポットだと思います。

ぼくがここで買ったのはフランス代表のキャップ。2002年の「日韓ワールドカップ」に合わせてつくられたオフィシャルの一品です。

パリの街を楽しんだ後はファッションウィークに戻り、〈アミリ(AMIRI)〉のショーに向かいます。

会場になったのは左岸にある「パリ植物園」の一角。ここは〈アミリ〉のお気に入りスポットで、近年、春夏コレクションは決まってこの場所で発表しています。

ドラマー、ユセフ・デイズの生演奏に乗せて発表されたのは、触れずとも分かる仕立てのいいエレガントな服たち。ハリウッド映画のアイコンたちをモチーフにした2024年秋冬コレクションの世界観をさらに広げてつくられています。

そこに漂うムードは古きよきアメリカンラグジュアリー。どのスタイルにも大人の色気が漂っています。

そして、ファッションウィークはいよいよ後半戦へ。ここまで連日、外は肌寒く、雨か曇りの空模様…早くパリの清々しい青空が見たいな。

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