前回に続き、編集部の村松がインド滞在記をお届けします。取材の後半は首都ニューデリーを拠点に〈プエブコ(PUEBCO)〉のものづくりのマテリアル探しに同行しました。
我々がまず向かったのはデリーから約100km離れた場所にあるタオルの問屋街と、その近くにあるブランケットとラグのマーケットです。〈プエブコ〉の商品をつくる工場にも足を運びました。
二日目に案内されたのはデリーから300km近く離れた、軍払い下げの品々が眠る倉庫。倉庫といっても掘っ立て小屋のような簡素なつくりで、山積みになった品々の一部はブルーシートに覆われただけの野晒しに近い状態です。〈プエブコ〉の二人が何メートルにも積み重なった、尋常ではない物量のなかから商品づくりに使えそうなものを時間をかけて掘り起こしていきます。
ちなみにこの日の最高気温は42度! 前の晩に降った雨のせいで、倉庫のなかはサウナ状態です。
最終日はデリー近郊にある繊維街を訪ねました。目的の生地を求め、ホールセール専門の店を中心に何十軒も見てまわります。通りは狭く、バイクや人力車、トゥクトゥクが我が物顔で通り抜けていきます。
最後にインドに来て感じたことを少し。
ぼくらは今回〈プエブコ〉のものづくりの舞台裏を取材しましたが、彼らはインドという国に相当深く入り込み、現地のひとたちと仕事をし、そして生活まで共にすることで築いた信頼関係を自分たちのものづくりに活かしています。
特に地方に行ってみて、この国が日本と比べると全然、社会のインフラやルールが整備されていないことに気づかされました。ぼくにとってその様はカオスというか、滞在中に目に入るものごとだけでも理解できないことがたくさんありました。
ただ、発展途上の真っ只中で、ある種プリミティブというか、あらゆる面で均一化されてないからこそ、インドにはまだまだ古きよきものが残り、底知れぬ面白さとパワーがあるように感じます。
それを真正面からキャッチし、商品に落とし込む〈プエブコ〉の頭脳、田中裕高さんの行動力と洞察力、そしてパッションがこれまたすごいのですが! デジタルを駆使したスマートなビジネスが主流になるなかで、その真逆を行くような彼のやり方に我々もいろいろなことを学ばせてもらいました。
この続きは今後アップする特集記事を乞うご期待ということで。
〈プエブコ〉について、もっと早く知りたい! という方は東京の「銀座ロフト」と大阪の「心斎橋パルコ」で開催中のポップアップイベントへどうぞ。ウイットに富んだ、エブリデイ・ロー・プラスの品々は衝動買いしてもきっと後悔しないはずです。近くにお住まいでない方はオンラインストアのチェックを。