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BLOG - フイナム編集部

【アメリカ旅行記 第九回】いま一番気になる街、オースティン。

 長めのポートランドを滞在を終えて、次に向かったのはテキサス州の州都オースティン。

 オースティンはテキサスらしい、これぞアメリカ! な雰囲気を残しつつも、ポストポートランドとも呼ばれているほど、街には水と緑に溢れていて、いまもっとも注目を集めている都市のひとつである。さらに、グーグルやフェイスブック、アップルなど大手テック企業が次々とオースティンに拠点を移し、今後の経済的な急成長も期待されている。少し前には、テスラのCEO、ツイッター大好きおじさんことイーロンマスクがオースティンに引っ越したことも話題となった。

 今回と次回で、2回に分けてそんなオースティンの主要な地区をいくつか紹介していきたい。

 一つ目に紹介するのは、「SOCO」とも呼ばれる「SOUTH CONGRESS」地区。オースティンのイケてるブティックや飲食店が集まっている。

 このエリアの面白いのは、古き良きオールドアメリカンな建築物とモダンなショップや商業施設などが共存している地域だということ。観光客からローカルのひとたちまで、多くのひとが訪れるスポットである。

 老舗のウエスタンブーツやカウボーイハット専門店、レザーショップも各所にあり、ここがテキサスだということを感じさせてくれる。その中でも、真っ赤なブーツのオブジェが一際目を引く「Allens Boots」に立ち寄ってみると、そこにはズラッと並ぶウエスタンブーツの壁。

 ブーツだけでなくアパレルも売っていて、デニムはもちろんラングラーのブーツカットオンリー。自分なんかが履くとコスプレ感が否めないのだが、お店はあくまでリアルクローズとしての提案。

 カウボーイハットに、セレクトされたレザージャケットなんかも置いてあった。なりきりカウボーイセットをお求めの方、ここに行けば全て揃います。

 そこから少し歩くと、一気に最近の建物が増えてきて、雰囲気もグッとモダンに。個人のセレクトショップや、アパレルブランドの路面店、小規模な商業施設が数多く並ぶ。

 

 「オースティンでいちばんイケてるショップは?」とオースティンで仲良くなった友達に聞くと、みんな口を揃えて言っていたのが、ここ「ByGeorge」。〈ボッテガ・ヴェネタ〉や〈ロエベ〉、〈ジルサンダー〉などのハイブランドから、〈スティルバイハンド(STILL BY HAND)〉のような日本のブランドもいくつか見かけた。このすぐ隣には最近流行りのウィメンズブランド「ガニー(GANNI)」の路面店もあったりと、この一帯はロサンゼルスでいうところのおしゃれな若者が集まるメルローズ的な立ち位置なんだと思う。

 オースティンは夜も楽しい。日が暮れるとダウンタウンのクラブ街が歩行者天国になって、至る所から音楽が聴こえてくる。どのクラブも基本的に四つ打ちよりも圧倒的にソウルやロックが多く、バンド演奏による生音が主流なのもテキサスならでは。

 エントランスフリーなクラブも多く、気になる音楽が流れていたらフラッと立ち寄るスタイルが楽しい。この日は週末ということもあり、老若男女さまざまなひとが集まっていた。たまたま入ったこのクラブではダニエル・シーザーの「Best Part」を歌っていた。

 ちなみに余談だが、テキサス州の医療用ないし嗜好用大麻は違法。オースティンがいくらリベラルな地域でポストポートランドと呼ばれていても、そこは違うところ。ただGoogleマップで検索してみると、お店の看板こそ出ていないが、オンラインで注文するスタイルのディスペンサリーは何店舗かあった。ローカルの若者たち曰く、テキサス州のほかの都市に比べて気軽に手に入るんだとか。実際に夜のクラブ街では、少し路地に入るとそこら中で大麻の匂いが漂ってきた(日本人の大麻の使用は、どの地域でも違法)。

 昼間は全く気がつかなったが、夜になると高層ビル群が一気にライトアップされて、オースティンがいかに都会かがわかる。


 

 最後に、テキサス州といえば若者の銃乱射により21人もの小学生が死亡した悲しい事件についても少しだけ触れておきたい。オースティンは保守派の多いテキサス州の中でもリベラルな側面が強いこともあってか、市街にある学校では銃規制強化を求む声や事件を悼むボードが飾られていた。旅行中はどうしても綺麗な側面だけを見ることになるが、そうした声明やライフルが並ぶガンショップを街中で見かけたときは、ここがアメリカだということを改めて実感させられた。先日バイデン氏が約30年ぶりに銃規制強化の法案を成立させたばかり。そんなことを書いていたら先日の参院選中に悲しい事件が日本でも起きてしまった。政治的な話はさておき、こうした悲しい事件が少しでも減って欲しい。

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