BLOG - フイナム編集部

ハウス・オブ・グッチ

どうも、編集部の村松です。

今日はファッションの映画について書きたいと思います。まずファッションを扱う最近の作品をおさらいすると、以下に挙げた通り、ドキュメンタリーが主流です。

 

『マルジェラが語る “マルタン・マルジェラ”』(2021年)

『コレット モン アムール』(2020年)

We Margiela マルジェラと私たち』(2019年)

『ヴィヴィアン・ウエストウッド 最強のエレガンス』(2018年)

『マックイーン:モードの反逆児』(2018年)

『ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男』(2016年)

『ディオールと私』(2014年)

 

これらに共通するのは、その映画の中心人物であるデザイナー、または、ショップオーナー、そしてその関係者にインタビューし、クリエーションの本質に迫るというストーリー。好きなひとにとっては興味深い反面、お勉強的なところもあり、興味ないひとにとっては退屈かもしれません。そういったなかで、新年早々公開された作品にはいい意味で裏切られました。

タイトルは『ハウス・オブ・グッチ』です。

タイトルの通り、この映画でフォーカスされたのは、誰もが知るブランド、グッチ。実話であるグッチ家のお家騒動を題材にした内容で、メガホンを取るのは『グラディエーター』や『オデッセイ』で知られる巨匠、リドリー・スコット。キャストは主役のレディー・ガガをはじめ、アダム・ドライバー、アル・パチーノなど錚々たる面々です。

正直なところ映画を観るまで歴史に基づいた無難な内容かと思っていたのですが、しっかりエンタメになっていて見応え十分。あっという間の2時間半でした。作品づくりの方向性としてはもともとのストーリーをかなり脚色しているという点で、実話を基にしたフィクション『プラダを着た悪魔』に近いような感じも。

公式プログラムを読むと、リドリー・スコットのプロダクションは20年も前に原作である同タイトルの本が出版された後、すぐに映画化の権利を取得。いまから数年前、理想的な脚本家が見つかり、動き出したといいます。

グッチを題材にしただけあって、出演者の衣装もさすがの一言。個人的にはアダム・ドライバーのスーツ姿が最高に格好よくて、見とれてしまいました。このひとスタイルがいいし、めちゃくちゃ服が似合うなと。

ブランド側が全面的にバックアップしているかと思いきや、なんとグッチの服はレディー・ガガの2着のみ。どういうことかというと、エンドロールにグッチのクレジットが無いんです。だから、監督たちはブランドイメージに囚われず、ある程度この作品を自由にコントロールできたのかもしれません。

改めてグッチについて調べてみると、創業は1921年。いまはなきサンモトヤマの社長、茂登山長一郎氏が60年代、その革製品の美しさに魅了され、舶来品のひとつとしてエルメスやフェラガモ、バリーなどと同様、日本にはじめて卸しました。それから半世紀以上経ち、世界でも指折りのブランドとして地位を築いていますが、グッチ家との関係は…。

ぼくはこの映画を観てグッチに対する見方が変わりました。ブランドに関わるひとたちがどのように捉えているのか、気になるところです。

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