編集部の須藤です。
「こ」とキーボードを叩けば、「コロナ」が予測変換のいちばん上にでてくる。些細ですが、こういうところにもコロナの影がおちていますね。はやく収束してほしいものです。
一方、コロナきっかけでエンターテインメントの大切さをひしひしと感じるのもまた真。わたしもその恩恵を受けたひとりなんですが、個人的に痛く感動してしまったものがありまして、今回はそのご紹介を。
岩井俊二 × 粘土怪獣 × 斎藤工。
鬱屈とした青春を描かせたら右に出るものはいないでしょう、『スワロウテイル』『四月物語』『リリィ・シュシュのすべて』など数々の傑作を世に送り出してきた映画監督・岩井俊二。彼のYoutubeチャンネルでは、おもに作品の予告や手がけたMVなどが観られるのですが、昨今の未曾有の事態を受けて、ある作品が公開されました!
俳優の斎藤工さんを主演に迎え制作された、短編映像作品です。内容はというと、主人公サイトウタクミが12日間 怪獣を家で育ててみたというもの。いわば試してみた系Youtube動画のフィクションですね。全12話、ひとつ3分程度なのでサクサク観られます〜。
岩井節の効いたセリフ、徐々に明かされる怪獣の正体、ちらっと背景に映る斎藤工の自部屋(やっぱりちょっとエロい)。短いながらも、想像力をはげしく掻き立てられる作品になっています。
デヴィット・リンチがアレを伝えてくれます。
カルトの帝王と呼び声高い映画監督・デヴィット・リンチ。『エレファント・マン』『マルホランド・ドライブ』『ツイン・ピークス』などが代表作ですが、そんな彼も時代の波に乗ってか「DAVID LYNCHTHEATER」という自身のチャンネルを開設。なにをアップしているのかというと「天気」です。もう一回言います、お天気、です。
イエローカラーのキャビネットとアナログな固定電話をバックに、窓の外に広がるロサンゼルスの天気を解説してくれます。日付、天気、気温だけと簡潔に伝えるさまは、まるで気象予報士さながら。自身のコーヒーブランドを起ち上げたり、超越瞑想の財団を設立するなど、老いてもなおネタが尽きない彼。どこまでいっても掴めない人間性は、コロナ関係なく健在でした。これからも見守りたいですね。(あとこれ、英語の聴き取り練習にもよさそうです)
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いやあ、エンターテインメントは偉大! 岩井俊二とデヴィット・リンチが素晴らしい映画を生み出せる理由は、案外こういうところに隠れているのかもしれませんね。