編集の須藤です。
突然ですが。『逃げ恥』で星野源が枝豆を飛ばした、『愛がなんだ』で岸井ゆきのと成田凌が朝まで飲み明かした、『舟を編む』で松田龍平が先生に諭されていた、あの居酒屋…
全部「酔の助」です。
ここは映像業界では知らない人はいない、東京は神保町にある大衆居酒屋。居酒屋として営業しながら、映画・ドラマ・CM・再現VTRに至るまで、あらゆる映像作品にロケ地として貸し出しをしているんです。壁に所狭しと貼られたメニュー表のこの感じ、見覚えありませんか?
そんな酔の助ですが、コロナの影響で5月28日(木)をもって閉店することに…。
閉店報告をしたツイートには、著名人から多数コメントが寄せられていましたね。かく言うわたしも、いちどだけ撮影でお世話になったので思い入れもひとしお。今回はそんな界隈で愛されつづけた酔の助について書きます。
何と言ってもこのおやっさんが粋な男で。数十人の留学生店員をまとめあげつつ、常連・新規関係なくお客さんへのちょっかいも忘れない、接客業の鑑なんです。
撮影隊への対応も素晴らしく。朝7時からの撮影も快くOK、お店の食器や調味料も自由に使ってOKという普通なら考えられない好待遇でした。床にレールを引きたいと言えば机をどかし、備え付けの棚が邪魔だと言えばためらわず取ってくれたりと、映像戦士たちの画作りに真摯に協力してくれるんです。その懐の深さには頭があがりません。
一時期おやっさんが更新してたブログからは、作品への愛(というかミーハー心)がびしびし感じられます。おひまな方は是非。
もちろん居酒屋自体も素晴らしい! ジャンルレスで膨大なラインナップは壁を見ているだけで楽しいし、いざ頼むとちゃんとうまいのが凄い。400円前後と単価が安いのも嬉しいってもんです。テーブル、座敷、カウンターと3つに分かれていて、それぞれのブースで繰り広げられるドンチャン騒ぎ。何度行っても飽きません。
…と語れば語るほど閉店の悲しさが募ってくるばかりなので、このへんでやめておきます。
グッズ販売やテイクアウトでなんとか経営を続けるお店が多いなか、閉店という決断。なんで?と思いつつ、去り際の潔さが酔の助らしくて、やっぱり好きだな〜としみじみ思いました。
酔の助、お世話になりました!ありがとう!