BLOG - 猿渡大輔(グラフィックデザイナー)

カントリーベア・シアター

 

 

カントリーベア・シアターは東京ディズニーランドに開園当初からあるショー形式のアトラクション。時期によっては閑古鳥が鳴いているので、嘆かわしいことながらここを休憩場所として記憶に残している人も多いかもしれません。

 

20頭弱のクマと仲間がカントリー&ウエスタン音楽をベースにしたさまざまな音楽を演奏する内容で、かつて存在したミッキーマウス・レビューと形式的には似通ったものでしたが、後者と違い現在まで演目も変わらずロングランを続けている優秀な施設です。
子ども時代猿渡はここをきっかけにウィリー・ネルソンを聴き始めるなどしており、個人的にも少なからず影響を受けたものです。

 

元々ディズニーランドのために計画されたわけではなかったものがいろいろあって結局パークに導入されることになり、アナハイム、オーランド、東京の3カ所に実装。のちにアナハイムの施設は別の黄色いクマに敷地を明け渡すことになってクローズしたので、現在まで残っているのはオーランドと東京のみです。

 

 

 

 

 

そして先日、オーランドの施設にリニューアルが入り、「Country Bear Musical Jamboree」として再オープンしました。登場メンバーに大きく変更はないものの(諸般の事情により改名したメンバーはいる)、大きく変わったのは曲目で、カントリーミュージックの有名なものやディズニーに関係しないポップミュージックのカントリー&ウエスタンアレンジを演奏していたものから、カントリー調になったディズニーの人気ナンバーを演奏する内容にアップデート。
『ズートピア』や『アナと雪の女王』、『トイストーリー』『モンスターズ・インク』『ジャングルブック』等々の人気作の中から有名曲を選抜したメドレーになっているので、オリジナル版オープンから50年強を経たいまになって人気絶頂を迎えています。

 

となると気になるのは、東京にも同じリニューアルが導入されるのかということ。
吹替版の準備などもあるのでアメリカで導入されたリニューアルがすぐに反映されないというのはスター・ツアーズなどでも既に実感済みですが、時期はともかくリニューアルをする方針なのか、現行を保持する方針なのか、は気になるところです。

 

スプラッシュマウンテンを例にとると、このアトラクションのストーリーのベースになっている『南部の唄』の人種描写に関する論争を受けてアナハイム、オーランドの2施設で順次閉鎖され、『プリンセスと魔法のキス』をベースとしたアトラクションへの変更が行われました。

 

これによってオリジナルのスプラッシュマウンテン(アメリカの2施設ではそのアトラクション名もリニューアルに伴い消滅した)が残るのは東京だけとなったわけですが、人種描写問題はありつつもアトラクションに直接その該当箇所が反映されていないことやアトラクションそのものの魅力、『Zip-a-Dee-Doo-Dah』に代表される音楽の魅力からオリジナルへの支持は厚く、「東京に行けば今は亡きスプラッシュマウンテンを楽しめる」と考えて来園する海外ゲストも多くなっているそうです。
(ちなみにアメリカにあわせてリニューアルを行うかどうかについて、オリエンタルランド社は明確に方針を発表していません)

 

 

 

 

カントリーベア・シアターについても同じことが見込めるとすれば、「東京にのみオリジナルが残る」というのは強みになりそうです。ただ、冒頭で述べた通り多くのライトな来園者にとって休憩所のような立ち位置となっている現状をみれば、オーランド同様のディズニー音楽演目にリニューアルすることである程度の支持回復は間違いなく、「ミッキーのフィルハーマジック」のような堅実人気施設になれそうな気もします。

 

 

ーーーーーー脱線ーーーーーー

 

フィルハーマジックにおけるミッキー(魔法の帽子の持ち主)とドナルド(持ち主不在の間に帽子を拝借した結果、魔法習熟度が低いため取り返しのつかない事態を引き起こす)の関係が、『ファンタジア』における魔法使いマーリンと弟子ミッキーの関係に対応していて、ミッキーの立ち位置が逆転しているのが毎回とても気になる
ミッキーマウスに詳しくないので時系列はわからないけど、『ファンタジア』でマーリン先生にしばかれたミッキーがその教訓を踏まえて修練を積み、時を経て帽子の正当所有者となったのち、友人がかつての自分と同じ過ちを犯すのを見て、プンプンしながら事態を収拾し、昔師匠から受けた厳しい叱責を同じようにその友人に浴びせている、ミッキー、まるで過去の自分の過ちを棚に上げて同じ轍を踏んでしまった親友に厳しくあたっているようで。。。

 

ーーーーーー脱線終わりーーーーーー

 

 

カントリーベアシアターについては小さい頃からオリジナル版に親しんできたし、夏と冬のシーズン演目も復活したことなので、個人的にはリニューアルしなくても、と思います。が、オーランドの新演目の内容も観ると素晴らしいので、あれを手近に観られるのならそれはそれで歓迎できそうです。
いずれにしても今後どうなっていくのか注視しつつ、いつなくなってもいいようにオリジナル版を毎回目に焼き付けていく所存です。訪れるみなさまにもどうか休憩所として利用しつつ演奏内容にも少しだけ耳を傾けていただけたら盛り上がって良いと思います。

 

 

25年最初に投稿するのがこんなにフイナムと関わりのなさそうな内容で、心苦しさはあるのですが…都度都度書けることを書いていくことにします。

 

 

 

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