滞在7日目、8日目は、今までずっと行きたかったポルトガルを訪ねました。
ヨーロッパ何ヵ国かの知人たちに、ヨーロッパで一番好きな国、訪ねるのにオススメの国を尋ねると「ポルトガルが良いよ!」という人が多かったのです。
また今まで日本でポルトガル料理の店に行った際に、素材の美味しさを生かしてあまり手を加え過ぎないという点でも日本人に合っていると感じていたので、ぜひ本場の味を味わってみたい! と言う気持ちもありました。
ポルトガルのブランド「VAVA」のデザイナー、Pedroから彼の本拠地であるポルトに来てみないか?と以前より誘われていたので、今回思い切ってポルトに来ました。
ヨーロッパの中でもかなり南に位置して通常ポルトガルは温暖だといわれていますが、今回は雨に見舞われかなり肌寒い気候でした。
始めに訪れたのはPedroのオフィス。近未来をイメージしている「VAVA」のオフィスだけあり、ブランドを体現した空間になっています。70年代にポルトガルのモダニズムを牽引してミニマルで美しい建築物を得意とした建築家、Artur Andradeによる建物でそれまでかなり古くなっていたビルにいち早くPedroは目を付けて「VAVA」の世界観を体現しているPedroのセンスは流石です! まだ3週間前に引っ越してきたオフィスはこれからさらに進化していきそうです。
そのあと、ポルトの漁港近くにある、新鮮なポルトガルのシーフードが味わえる店に案内してくれました。日本でも漁港近くの店は美味しいですが、その漁港近くの店の中でも特別な店に案内してくれたので、すごく美味しかったです! 客は地元の人ばかりでなかなか旅行者は訪ねることのないお店だそうです。
ランチ後は「VAVA」をブランドの立ち上げから紹介しているポルトのセレクトショップを訪問。ポルトは歴史的な建造物と古い街並みのイメージが強かったのですが、ポルトに来てみて街全体に非常に美意識が高くアーティスティックな人が多いことが分かりました。このショップとオーナーもとてもセンスにあふれていました。
その後、「Museu de Arte Comtemporanea de Serralves」(現代美術館)へ。広大な庭園と美術館が一体となっており、アートを楽しみながら緑の中で息抜き出来る、ポルトの人たちにとって憩いの場だそうです。草間彌生さんや、前衛的な映像や音楽をアート化するパリ在住のミュージシャンで美術家である池田亮司さんの作品もありました。
ディナーの前にはポルトの中心部にある「VAVA」のショップを訪問。オフィス同様見事に「VAVA」ワールドを体現しています。デザインのバランスを1:4:9で形にすることをテーマにしており、ディスプレイ什器やウィンドウのデコレーションもすべてこの比率で作られています。近未来世界に来た気分になる「VAVA」のショップらしい空間です。
ディナーに向かう市街地は、イメージしていた通りのポルトガルの街並みを見ることができました。しかしながらポルトは想像していた以上に美しい建物が多くあり、ポルトガル名物として有名なタイルも多くの建物に見られました。街全体が美術館のようでありポルトの人たちの美意識やアーティスティックな感覚が高いのは、この街並みが古くからあり、それを皆で大切にしてきたからのようです。
ディナーに選んでくれたレストランが入るビルも1960年代に石造りや木工の職人たちが集まって建てています。その匠の技が当時のまま保存されている建物はスペシャルでした。レストラン自体もビルの誕生の時からあるお店で、長く地元の人たちに愛されています。
たった一日限りのポルト 訪問でしたが、かなり濃厚でした。ポルトには数多くの建築家、アーティストがいるそうで、世界中の建築で活躍したり、巨大ITの会社のデザインしている人も多いのだそうです。ポルトに来る前までは近未来をテーマにした「VAVA」の本拠地をポルトに置く理由が分からなかったのですが、今回よく理解ができました。
歴史的な建造物が多くアーティスティックな感覚にあふれており、前衛的なセンスも併せ持つポルトの街と人に、とても魅力を感じた滞在でした。ぜひまた来てみたいです!
「SILMO」の展示会直後、丸一日ポルトを案内してくれたPedro、OBRIGADO(ポルトガル語でありがとう)!
「グローブスペックス」の創業時から単に世界中から商品を紹介するだけでなく、デザインの背景にいるデザイナーなどの人たちや、デザインが生まれた街の文化やセンスなど含めて紹介したいと考えていました。それは自分が「グローブスペックス」を創業する前からメガネの仕事をしていましたが、海外に行く機会が多く、そこでデザイナー本人に会って熱い思いやこだわりを直接聞いたり、デザインが生まれた街の文化やセンスに触れるとよりブランドへの理解が深まったりした事が多かったのです。
またヨーロッパの中央辺りにあるフランス、ベルギー、オランダなどのメガネ店を訪ねてみると、基本的にほとんどのメガネが丸型だったのですが、同じラウンドメガネでも弁護士や銀行員が掛けるようなオーセンティックな丸メガネ、アーティストやファッション関係者が掛けるような丸メガネなど、基本が丸メガネであっても掛け方に独自の文化が根付いている印象もありました。
NYで勤務している際には、日本では老眼鏡をそう見えないようにサングラスのようなデザインで掛けたりする方もいたのに、NYでは一目で老眼鏡と分かる鼻メガネのようなデザインだが、非常にカラフルで洒落たフレームを掛けている年配のご婦人に若い人たちが憧れていたのも垣間見ました。
「グローブスペックス」では世界中のモノだけでなく、日本と違う掛け方の文化や、モノだけ見ていても分からないデザイナーの思いやデザインに誕生した街の文化やセンスが反映されている部分も含めて知ってもらうことで、もっとメガネが楽しいものになると考えているからなのです。
私だけでなく、会社のスタッフたちも、一人でも多くそれを直接肌と五感で感じてお客様にも共有できたらもっと多くのお客様に対してメガネの楽しさや素晴らしさを伝えて行けると考えているため、海外出張にはスタッフを同行させています。
また次の出張の様子もお伝えしていきます。お楽しみに。