BLOG - 猿渡大輔(グラフィックデザイナー)

東奔西走の日々

 

お酒を飲まないのですがお酒が持つ情緒的な魅力は知ってみたいと思います。
キリンビールの広告の言う「やっぱりビールはおいしい、うれしい。」のキャッチコピーを聞くなどしては、そういうものなんだ、特別なんだ、と想像します。

 

父の日に合わせたウイスキーのCMがありました。火野正平さん演じるひとり暮らしの高齢の父のもとへ小栗旬さん演じる息子がウイスキーを持って訪れ、ふたり、言葉少なにグラスを傾けて。息子が「うまい?」と聞くと、父は一言、「お前も、息子からウイスキーもらったらわかるよ」と言う。
もしそこで「うん、うまいね」と言えばただ品物を褒める言葉になってしまうし、「やっぱり息子からもらうっていうのがさらにおいしさ増すわ」みたいにみなまで言うのも味気なく。
嬉しい、おいしい、ありがとう、という感情をまるっと「お前も、息子からウイスキーもらったらわかるよ」だけに込めたことで、その先いつか本当に自分の息子からウイスキーをもらうときまでずっと、息子の心に残るんだろうな。
などと感じて、どうも味や成分、製法ではなく情緒的な価値に振り切ったお酒の広告がひときわ印象に残る、これは自分がお酒を飲むことを知らないゆえに余計に美化された想像をするからだと思います。

 

先日、子どもの頃によく行った地元の焼肉屋に両親、妻と行き、自分の代わりに妻がビールで乾杯をしていたけど、そこでもしウイスキーのCMのように父に「うまい?」と聞いていたら「お前も息子の奥さんと飲むときがきたらわかるよ」などという気の利いた言葉が返ってきたりしただろうか、と一瞬思考が巡りましたが、まあそんなことはないでしょう

 

 

 

 

下戸は夜であろうと会食のあとであろうと車が運転できるので、いつ何時でもどこかへ出発ができます。
数年前までは毎週のように西へ東へ車を走らせながら働いていましたが、最近またそんな東奔西走の日々がにわかに戻ってきました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

東名高速を東京から西へ、相模川、黄瀬川、富士川、安倍川、大井川、天竜川と日本史の有名なシーンに出てくる川を順に越えながら進むのはこれまでの出張の中でもダントツに慣れた道のり(ただ、大昔からお世話になった用賀インター前のマクドナルドが一旦閉店となっているのがさっそく出鼻をくじく)。

 

 

 

 

走り慣れたコースでも、最近の目的地の多くは新たな土地です。
まだ知らない街のことも、物や文化やスタイルのことも、ゼロから吸収しながら心を寄せていき、良い仕事に結びつけていきます。

 

そんな中で食にまつわるプロジェクトがあって、味や栄養といったものとは別でその食べ物にある情緒的な価値ってどんなことだろうと考えていた矢先、お酒の魅力を情緒的に伝える事例って目につくよな、と思って、、、、、、(先頭へ戻る)

 

 

 

 

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