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BLOG - 岡田哲哉(グローブスペックス 代表)

20年ぶりの…。

現在、グローブスペックスは渋谷と代官山の2店舗で営業していますが、最後に店を出したのは20年前の代官山店です。

来年20年ぶりに新しい店をオープンします。GLOBE SPECS KYOTO。京都店です。

私は京都が大好きです。多くの美しい建造物、世界に誇れる歴史的な彫像やアートがたくさんあります。ちょっとした小道に入ると、風情のある町屋作りが並び、どこを歩いていても気分が上がります。一方では飲食で新しいチャレンジをしているお店を始め、アートやクラフトなど、とてもセンスの良いお店がたくさんあり、先端的な一面もあります。

仕事柄、世界中のいろんな街に行きますが、こんなにも多面性のある魅力を持つ都市は滅多にありません。デザイナーなど世界中の都市を回っている知り合いと話すと、よく言われるのは「テツヤ、次に店を出すとしたらNYが向いているんじゃない?」。海外でのチャレンジにも魅力を感じますが、とてもインターナショナルで世界に誇れる、この街にはそれ以上に魅力を感じ、以前から店を出したい場所として注目していました。

ただ土地勘があまり無く、東京と違ってファッションの有力店も固まらず、分散している京都では、場所選びが難しいと感じていました。

昨年暮れに京都に店を出さないか、とお誘いがありました。アジア初のACE HOTELが2020年春にオープンし、それに隣接して同時オープンする新風館への出店要請でした。もし京都に店を出すとしたら、やはり歴史や文化を感じる建物に出したいと考えていたので、1920年代に建てられた新風館は理想通り。そして、まわりも1LDKさんやPilgrim Surf +Supplyさんなど、ウチと同様大きな商業施設に出店しておらず、相性が良いお店とご近所になることも出店を決断した理由です。

ビンテージの家具や服もそうですが、私は古いものにしかない風格と味わいにとても惹かれます。京都は歴史と文化がとてもハイレベルに保存されている街なので、グローブスペックスの店もそんな場所に相応しい店作りを考えました。新風館の建物自体、1920年代に建てられた京都中央電話局であったシックなレンガ造りの洋館なので、その美しい歴史的な建物の店舗環境を最大限に生かす作りです。そのため、一昨年から時間を掛けて世界中からビンテージの家具や装飾品を収集してきました。

グローブスペックスは商品も世界中からセレクトしていますが、店の空間作り自体もNY風やパリ風など特定の雰囲気に傾倒するのではなく、日本を含め世界中の素晴らしい感覚、格好良さをミックスした空間を目指しています。今回は古いものの格好良さを世界中からミックスして、単にビンテージ風ではない新しい楽しさとサプライズのある空間にしようと思っています。

冒頭の写真はグローブスペックス京都店の入り口でお客様を迎える鋳物のジョッキーです。アメリカの郊外や田舎では通りから大分入ったところに家があることも多く、そのような場合、通りにこの様な鋳物を置いて、夜はランタンを灯して客人を迎えるために使われていました。これも100年ほど前に作られたもので、今ではコレクターズアイテムらしいのですが、たまたまNYのアンティークショップで巡り会いました。

まわりの人たちと新しい店の話をすると、今後もっと店を増やすのですか? と聞かれることもあります。出店が20年ぶりとなったのは、私自身あまり店を増やしたいと思っていないからです。グローブスペックスを始める前、たくさんの店舗を持つ大手企業にいたこともあり、規模が大きく多くの店舗があるからできることと、同時に大きくなると難しくなることが出てくることも理解しています。規模が小さく、店舗数が少ないからこそ守れること、可能なことを、21年間グローブスペックスをやってみて実感しています。なので今後もグローブスペックスは、規模的には小さいけれど、グローブスペックスならではの楽しさ、面白さ、安心、信頼を目指し続けようと思っています。

2020年春、グローブスペックス京都店はオープン予定です。ご期待下さい!

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