BLOG - District UNITED ARROWS(Creativity & Craftsmanship, Freestyling)

思いの詰まったトレンチコート -CONCETTO-

HOUYHNHNMブログをご覧の皆様、こんにちは!

District UNITED ARROWS(ディストリクト ユナイテッドアローズ)のコバヤシと申します。
主に売り場を作る担当でして、お客様の洋服への興味を膨らませられる様、日々励んでおります。お立ち寄りの際は、是非、各国のそして日本のクリエイティビティとクラフトマンシップを感じる洋服達をお楽しみ下さい!
今回は、良いトレンチコートに関して。
 
 
 
CONCETTO。
Districtでは初めてのお取扱いとなるブランド。初めてのブランドはワクワクと共に、緊張もします。良いモノであるのに、それをしっかりと伝えられるかどうかは、こちら次第…もう毎回の接客が緊張で心臓バクバクです。
しかも今回のお取り扱いするにあたってデザイナーご本人、自らお話を聞く貴重な時間も作って頂きました。
 
誰もが知る英国ブランド(BやMから始まります)。代名詞的なコートであるトレンチコート等、数多くの名品の製作に長年携わってきた方が、始めたブランドです。誰もが羨む様な場所でモノ作りをしてきた方が、新たにブランドを始めた理由
 
「やりたいと思ってもやれなかった事をやりたい」
 
これだけコートを作っても、まだやりたい事がある。
このシンプルかつ、純粋な思いそのままに始めた、本当にやりたい事が詰まっているブランド。
このコートへの興味が俄然湧いてきます。
 
 
生地はウール/コットンのギャバジン。コットンのイメージが強いギャバジン生地ですが、タフでありながら独特のヌメリ感を出す為に、経糸(タテイト)にはウールを高密度で配し、緯糸(ヨコイト)にはコットンを使用したCONCETTO専用の生地。また“色”にもこだわり、先染めのトープベージュ×グレーの為、単色では表現出来ない奥行きのある表情が特徴です。
また、使用しているボタンは本水牛の琥珀色。近年、ほとんどの本水牛のボタンはこげ茶になっており、このきれいな飴色が特徴の琥珀色の供給は激減しているそうです。ボタンだけとっても貴重になっており、是非実際に見て頂きたいポイントです。
 
 
 
シルエットは、着丈長めのAライン。
前身頃のボタンの位置は、ボタンホールとかなり距離があり、ボタンを留めた時に深く重なります。今ではほとんど見かけない仕様ですが、そのお陰で大きなラペルが生まれ、開けて着た時のふんわりとした美しいラペルの返りに繋がります。
そしてその美しいラペルの返りや胸の形を保つ為に、コートでは珍しいフラシ芯を入れて縫製しています。(縫製自体が難しく、高度な技術が必要な為、この仕様でコートを作れるのは本当に限られた工場のみ)
 
 
前身頃の凝ったディテールに対し、後ろもそれに合わせたくなりそうですが、背面はアンブレラヨークやインバーテッドプリーツ等、トレンチコートにはお馴染みの仕様は一切無し。ただその分、後ろから見た時のドレープがなんとも上品です。
 
 
そして一枚袖。一枚袖自体は、すごく珍しいわけではないですが、着た時の違いには並々ならぬこだわりが。
胸板の厚い外国人の方に合わせて作られたコートは前身頃の生地の分量が多くなります。その為、それを外国人に比べ細身かつ前肩な日本人がそのまま着ると、どうしても肩から胸の辺りに余分な生地が溜まってしまい、綺麗に見えない。そこで前と後ろの生地の分量を絶妙なバランスで調整する事で、着用時に胸から腕へとスッと落ちていきます。
 
 
また襟はきれいに首に沿う様、出来るだけ柔らかくする必要がある為、手縫いにしてあります(ステッチは入れれば入れる程固くなってしまうそうです)。
 
胴裏にはマガジンポケットが付いているので、裏地はキュプラよりも耐久性のあるコットンを使用。着込んで行った時のシワ感は、滑らかな表地とのギャップで、愛着が湧いてきそうです。
 
 
 
ついついタグを見て判断しがちな昨今。
ただこのブランドを何も知らずに着ても「良いな」と感じるCONCETTOの洋服。
デザイナーご本人が、「良いと思うには訳があるんですよ。」とおっしゃていたのが、印象に残っています。
ベースはミリタリーですが、決して名作といわれる洋服の模倣ではなく、デザイナーの「こうしたい」という思いがこもった”CONCETTO”の洋服です。
まずは、袖を通してみて下さい。
 
 
 
 
 
 
 

 

 
 

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