9月7日より1012日まで天王洲アイルにあるKOSAKUKANECHIKAギャラリーのて館鼻則孝の個展「WOODCUTS」が開催されている。館鼻則孝は日本の伝統的な価値や美意識を現代の要素と組み合わせて新しい美しさのアート作品を制作する作家だが今回は花魁の履物を連想させるような代表作のヒールレスシューズシリーズや簪のようなヘアピンシリーズ、平面作品のエンボスドペインティングシリーズに加えて木質繊維板に日本の伝統的な漆芸技法の「溜塗」をした作品「WOODCUTS」も展示されている。ドナルド・ジャッドのミニマルな表現の「スペシフィック・オブジェクツ」に通ずる美意識の「WOODCUTS」は52枚ありその表面に施された5本の線の組み合わせはすべて異なるという。絵画でも彫刻でもないまさに「スペシフィック・オブジェクツ」というべき作品はどこか色や質感、形などに日本の伝統的な漆塗りや小紋のデザインなどを連想させる。日本の伝統と現代の美意識を繋げて新たな価値観のアート作品を作り続ける館鼻則孝の今後にもさらに期待したくなる見事な展示だ。

ギャラリーの床一面と壁面を埋める「WOODCUTS」

斬新な色や形だが現代的であるのに日本の伝統美を感じる。

近づくと幾重にも重ね塗りされた絵の具が見て取れる作品。

和装の簪を思わせるオブジェだが色は現代風だ。

花魁の履物を連想させるヒールレスシューズシリーズ。

クリアーな中に炎のマークと真剣が埋め込まれた作品。

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