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BLOG - 海瀬亮(urself / NICATA ディレクター)

胸に響いたひとこと

自分の人生や考え方を変えるきっかけは、人それぞれで、そして多様に存在する

これは数年前、自分がアパレル会社を運営していた頃の話

幸運な事にブランドが賞を頂き、それは結果的に東コレでランウェイに参加、そしてパリでの展示会開催と、ブランドとしても組織としても一気に視野が広がる出来事となりました

 

初めてのパリでの展示会

自分が独立する前からのフランスの友人 VASSが、某超有名セレクトショップのバイヤーさんを連れて来てくれた時の事

超多忙だから一瞬だけ見る感じだと思うよ  というVASSからの事前情報とは裏腹にジックリと吟味し、一通り商品説明を終えると

『とても良かったし、次回も楽しみにしている』とだけ言い残し急ぎ足で去っていったバイヤー

 

見てもらえただけでも幸運だったよね なんてスタッフと話したのを覚えている

 

2度目の展示会もそのバイヤーさんは来てくれて、前回同様に商品説明を終えた後

その方が仰ったんです

『前回同様にとても良い でもどうしてこれは日本製 この商品は日本製と言うの? 日本製のモノが素晴らしい事は世界中が知っている それに日本製だからコストが高くなる事も知っている』

続けて

『生産数が増えれば コストを抑える為に 中国製 ベトナム製 インドネシア製  などに切り替える事も知っている  それはビジネスだから当たり前の事だとは思う

 しかし、今まで日本で2万円で作っていたモノを、中国で1万円で作るような考え方では絶対にダメだと思う    そういうジャンルの洋服ビジネスを否定する訳ではないけれど……..

 日本で2万円で作っていたのなら、中国では1万円で作れるって考えるのではなく、もし中国で日本のコストと同じ2万円払ったら、日本の倍以上凄いモノが作れるかも知れないっていう想像をして欲しい』

 

目から鱗 

 

きっと 日本製がダメとかコストが高いからダメ って事ではなく、お前らのブランドはもう少しリラックスしてゆとりを持ってモノづくりしないとダメだよ  面白さがまだまだ全然足りないよ  調子にのって利益を求めるなよ っ的な事を遠回しに伝えてくれたんだと思うんだけど、

この日本製と中国製の例え話、『自分にはその選択肢なかったわぁ』と、妙にズキュンと自分の胸に響いてしまって、その後の仕事の仕方や考え方、お金の遣い方に大きな影響を与えて頂きました

 

先入観で判断せず 選択肢を沢山持つこと 想像を膨らませること 面白みを持つこと

 

今も常に意識しています

 

2018年  友人のVASSと

 

 

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