9月21日までMIZUMA ART GALLERYにて千葉和成展「ダンテ『神曲』現代解釈集」が開催されている。『神曲』は13世紀~14世紀のイタリアの詩人、政治家であり哲学者のダンテが生んだイタリア文学の古典的な長編叙事詩だが千葉はその『神曲』を現代解釈集としての作品にする決意をしてライフワークとして制作しているという。今回は時獄篇から天国編までの骨格部分を発表することとなったのだがそれだけでも凄まじい量の平面と立体作品がギャラリーを埋め尽くしている感じだ。荒々しい表現が怒涛のごとく噴出したような作品は迫力満点で見るものに圧倒的な存在感を見せつけている。描かれるのは地獄と天国が入り乱れた世界の数々で日本画の地獄絵図やヒエロニスム・ボスの描く摩訶不思議な世界のようでもあるが人間至上主義の世界に対する戒めの執念が描きこまれているように感じる。もの凄い作品量と密度だが今後もライフワークとしてこの『神曲』現代解釈集の政策は続くのだろう。
遥か頭上に光り輝くのは天国か?
龍の操る雲が人々を天国へと導く?
過去の賢者や哲学者などが集っているのだろうか。
ぐちゃぐちゃに見えるほどの密度の立体作品。
重苦しい黒い塊の立体作品と壁を覆う絵画作品。
地獄の入り口なのか恐ろしい悪魔たちがのぞいている。
現代社会の問題や人間至上主義への疑問符が見える。