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10月18日まで京都で開催されていたKYOTOGRAPHIE2020からのリポート2回目。前回お伝えしたように8回目となる今回はVISIONをテーマに掲げ多様な視点により作られたVISIONを集めたフェアになっている。コロナで一変した世の中。世界を変えるにはまず自分たちのVISIONを変えなければならない、一人一人が問題を「自分ごと」として考えることができた時に世界は必ず変わるのだというのが今回のステートメントである。今回紹介するのは京都府旧本館にもうけられたCHANEL NEXUS HALLで展示があったピェール=エリィ・ド・ピブラックの写真展。2013年から2015年にかけてパリのオペラ座の裏舞台に密着して撮影された「In Situ」の三部作の撮影でピブラックはダンサーたちの中に入り込み歌劇場で生活を共有しながらあらゆる瞬間を撮影したのだった。「本来あるべき場所で」という意味の「In Situ」のタイトル通りバックステージやリハーサルの風景などダンサーたちの普段の生々しい姿を無音のカメラと特殊なレンズで撮影した静かだが劇的な、そして写真の質感が古典的な絵画のような風格のある美しい写真の数々は圧巻で見とれてしまうほどだった。それは写真という表現手法の可能性をとことん追求したような素晴らしい作品展だった。

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