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BLOG - 小林孝行(flotsam books オーナー)

母からの電話

こんにちは。
flotsam booksの小林です。

いやー。
今日も俺ですわ。
もう俺は俺に飽きた。
とは思うけど。
朝起きても。
だいたい俺っていう。
昨日から全く成長していない。
むしろ老化した分。
ちょっと衰えている。
とは思うけど。
前にツイッターか何かで。
体力も気力も充実してて。
調子の良い日なんて。
一年に一度も無いよ。
的なことを誰かが言ってたけど。
まさにそれ。

でね。
それはそれとして。
この前展示やってたんですよ。
築山君っていう若い男の子の。

https://twitter.com/shotatsukiyama?s=20

で。
それはそれで。
いろんな人が来てくれて。
とても良かったんですが。
その展示の時に。
一件の留守電に気が付いた訳。
ま。
基本。
スマホっていうか。
携帯電話を。
携帯してる訳なんだけど。
見てる時以外は。
ほぼ気がつかない。
電話とか特に。
電話嫌いだし。
街中とかさ。
カフェとか。
どこでも良いんだけど。
そういう外で。
仕事の電話してるやつ。
マジ仕事出来なそうだよね。
俺だったら。
絶対そいつと仕事したくない。
って思う。
ま。
偏見ですけども。

でね。
それはそれとして。
留守電ですわ。
よっぽどじゃん?
留守電に残すなんて。
電話番号を確認すると。
我が母。
な訳よ。
マイマザー。
おんとし71歳。
知らんけど。
何歳だろ?
実際は。
ま。
まだまだ元気。
と勝手に思ってたけど。
誰もが平等に年をとる。
それはわかる。

で。
何かあったんじゃなかろうか。
と。
誰かに不幸があったり。
もしくは。
母自身に何かがあって。
最後の気力を振り絞って何か俺に伝えたいことがあって電話したんじゃなかろうか。
とか。
色々考えて。
留守電を聞く。
正直さ。
電話なんて。
嫌なことしか伝えてこないじゃん?
電話で。
超良いこと聞いたことある?
俺はない。
で。
聞いたら。
はたして。
「元気にしてる?心配になって電話しました。」
とのこと。
びっくりしたわ。
さっきまで元気だったわ。
この留守電に気がつくまで元気だったわ。
とか思ったけど。
こう。
俺も俺とて。
急に心配したもんだから。
慌てて実家に電話。
久しぶりだ。
年に一度帰るか帰らないかってくらい。
実家にも足を向けてないし。
たまには電話くらいしてもバチは当たらないだろう。
ってことで。
電話してみたんだけど。
そのことが。
俺をさらなる不安に落とすことに。
俺はまだ気がついていないのだった。
なぜなら。
なんの予兆もヒントもないから。
なんだけども。

でね。
親に電話。
「もしもし。俺だけど。」
つって。
オレオレ詐欺の常套句だよなあ。
とか思ったけど。
言っちゃったものはしょうがない。
「あ、タカユキ?」
もうさ。
普通に。
これダメなやつじゃん。
普通に犯罪者に息子の名前を教えちゃうパターンじゃん。
とか思ったけど。
「大変なことになったんだ。実は会社の金を」
つって。
言おうと思ったけども。
俺、会社員じゃないし。
で。
「ウン、オレ、タカユキ。」
つって。
ロボットみたいな返答しちゃって。
なんじゃこりゃ?
とは思ったんだけど。
ま、それはそれとして。
そんなことを考えてたら。
母が。
「あんた、大変よ。」
って言うではないですか。
で。
ここからは。
母が太字。
俺の回答が細字。
で。
会話劇をお楽しみください。
でね。
「あんた、大変よ」
「ん?俺はいつも大変だけど?」
「そうじゃなくて。」
「何?」
「富士山が噴火するよ」
「ええー?何それ?」
「来年。」
「え?来年?わかるの?」
「占いの本で読んだ」
「え?占い?」
「関東大震災も起こるよ」
「え?関東大震災?それも占い?」
「本当なんだって」
「え?」
「来年8月に富士山が噴火して、関東大震災が起こって、戦争になるよ」
「ええ?1翻増えてない?」
「だから。富士山が噴火するから。」
「う、うん。」
「東京から出た方がいい」
「お、おお。」
「実家(岡山)帰ってきてもいいし、大阪でもいいから。」
「う、うん。考えとくわ。」
「考えとく、って言っても来年よ。直ぐよ」
「お、おん。」
つって。
もうさ。
常軌を逸してる。
我が母。
いや。
いいんだけども。
そういえば。
昔。
もう25年以上前のことを思い出す。
車でどこかに出かける時。
カーステレオに。
カセットテープをおもむろに差し込む。
音は流れてこない。
「おか、お母さん、これはなんのカセット?」
とヤング俺。
「これは、無音テープといって。先生が拝んでくれてる祈りが録音されてるテープよ。」
「????????」
「これを流しながら運転してると車をあんまり擦らなくなった」
え?
擦ってたの?
今まで?
そういえばうちの車。
微妙に擦り傷や凹み傷が絶えないよなあとは思ってたけども。
ワンパクなのかな?
とか思ってたけど。
おかんが雑な運転してたからなのか!
とか思ったけど。
あんまり擦らなくなった。
って言ったよね?
今。
確かに。
擦らなくなった。
じゃなくて。
あんまり擦らなくなった。
って。
擦っとるがな。
ちょっとは。
普通に。
効果皆無じゃねえか。
とか。
諸々思って。
黙った。
で。
「このテープって無料?」
「さ、3万円。。。。」
「。。。。。。」
いいカモだな。
とは思った。
で。
それから10年後だか。
15年後だか。
今から10年くらい前。
家の玄関に。
変なカラフルな安っぽい壺があって。
相変わらず趣味悪いなあ。
って思いながら。
この親にして。
俺あり。
かー。
俺の趣味が悪いのも。
そういう遺伝子が関係してんのかもな。
とか思いながら。
「何これ?」
って聞いたら。
「いいでしょ。魔法の壺。これ買ってから車をあんまり擦らなくなった」
またそんな効果かよ?
とは思ったけども。
「へー。すごいね。」
つって。
ま。
俺もちょっと大人になったし。
親を論破しても。
何も得るものがないし。
信じるものは救われるって言うし。
別に。
本人が信じてるなら。
それで良いんじゃないかと思ったりして。
「ちなみにいくらしたの?」
って聞いたら。
「高くないのよ、3000円。」
つって。
え?
マジで安い。
それなら良いか。
ま。
母もすでに定年を迎えて。
年金暮らしで。
普通にお金も無いし。
売りつける方も。
うちの経済状況を分かった上で。
売ってんだなあ。
とか思って。
妙に感心した。
そんな母親が。
急に俺にしてきた電話。
「富士山が噴火する。」
うん。
忘れないでおこう。
まあ。
死んだら死んだで。
そん時は。
先に死んですいません。
くらいしか思うことはない。
やり残したこともたくさんあるだろうけど。
後悔しない人生なんて。
まっぴらゴメンだ。

そんなわけで。
そんな親を持つ俺を助けると思って。
お店にも遊びに来てね。
なんとかギリギリで営業してます。
今月17日から。
山谷佑介写真展「TOKYO BY CAR」が始まります。

山谷佑介による新作展示『TOKYO BY CAR』がflotsam booksで開催 | 意図しないものを映し出す試み

現在進行中の新シリーズ『TOKYO BY CAR』は、車の後部座席にカメラとストロボを設置し、運転しなが らレリーズ(※カメラのシャッターボタンに取り付け、離れた場所からシャッターを切るカメラアクセサリー)を用いて撮影するというまたまた実験的な試みです。
意識と無意識の間。
写真は撮れてしまう。
という意味。
写真を撮るという行為を。
もう一度問い直すような。
自意識というものをもう一度問い直すような。
そんな作品が並べば良いなあ。
どんな作品が並ぶかは。
俺は知りません。
乞うご期待。
としかいえないけど。
タイミングが合えば遊びに来てください。
山谷くんも在店する日もあるかも。
あともう一点。

明日14日から。
新宿伊勢丹本館で。
STUDY MAGAZINEとコラボのポップアップも開催します。
今回は、STUDYの長畑くんが企画してくれてます。

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ISETANSTUDYFLOTSAM📯10.14

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それではまた!

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