BLOG - 金子恵治(L'ECHOPPE コンセプター)

kontor デビュー

実は今までインポートのデザイナーズブランドを扱う際に、気持ちの中で引っかかっていたのが価格とクオリティのバランス。

クリエーション力は高いけれど、プロダクトとしてイマイチ且つ、高いというものが多すぎた。もちろん様々な事情があるのは理解しているけれど、日本では許されないというか通用しないような理由ばかり。

「インポートだから高い」という雑な理由でも、通用してしまうので、多少大目に見ても良いのかも知れないけれど、自分の中で消化し切れず、年々そうしたブランドの仕入れは減っていった。

やはり「プロダクトとして納得できるもの」を前提に仕入れをしたいという気持ちが勝った結果だ。

そうした中、突如目の前に現れたのが、kontor(コントール)というブランドのデザイナー ジョージ・コール。日本に移住して9年のイギリス人。

 

イギリス生まれのイギリス育ちであり、グラフィックデザイナーであった父とファッション分野に身を置いていた母を持つ。

 

2020年秋冬、彼は日本でブランドを立ち上げた。

kontorは輪郭の意味を持つ言葉に由来し、衣服におけるゆとりを日本的な『間』と捉え、その意識を、いかに衣服の中に生み出せるかを探求し彫刻的なデザインとプロセスを重要視している。

 

なぜ彼は日本で洋服づくりを志したのか?ローンチを直前に控え、特別にインタビューをさせてもらった。

『日本人は洋服のつくりに対して極めてオタクであり、プロダクト寄りの思考である。イギリスと日本では、洋服を作り上げるプロセスが違う。イギリスではコンセプト、アイデアが先行し、それはまるでファインアートのように感じていた。日本特有の思考プロセスの中で真剣に洋服を学びたかった。』

ジョージは日本の美学、中でも特有の”直角の美学”に強い関心を持ち、それはkontorのクリエーションにも色濃く反映されている。

フォルムの立つ生地選定をし、自らパターンを引きトワルをも仕上げ、建築的なシルエットとなる衣類を完成させる。

『和室はディティールがないのに雰囲気がある。』 彼のこの言葉は、私たちがコレクションを見たときに感じたことと同じである。

kontorのクリエーションは、日本文化に強く影響を受けながらも、最終的なプロダクトは”インポート”の雰囲気そのものであり、それに加えて日本生産故の高品質であることが極めて重要である。

イギリス生まれである彼が日本の文化に影響を受け、日本の地でファッションを学び、洋服づくりを行うのに滲み出るのはインポート・英国のムードなのである。

それは、幼少期から美術館を巡り、建築に興味を持ってきた彼の中に根付く美意識の高さが滲み出た純度の高いクリエーションと断言できる。

日本人にはない感性と、日本の高い生産技術が融合し、私が求めていた理想系「インポートの顔をした、質の良い服」が誕生した。

 

そんな20AWデビューとなる新ブランド『コントール』をレショップ青山店にてローンチします。

それに合わせて、デザイナー自身がハンドメイドで仕上げるスペシャルなジャケット(85,000yen)を3着限定で発売します。

※写真のものは、まだプリント加工が施されていない状態のもの。

 

【kontor】DEBUT COLLECTION LAUNCH&EX HANDMADE JACKET RELEASE

発売は、L’ECHOPPE青山店にて、8月8日11時より販売開始

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