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BLOG - 岡田哲哉(グローブスペックス 代表)

イカしたパイセン。

いつの時代も年上の先輩たちの中には格好の良いスタイルと、格好の良い生き方をしている人たちがいます。

自分がティーンエイジャーだった頃、初めてアメリカのファッションを体系的に日本に伝えていたのはVANジャケットでした。VANがすごかったのはファッションだけでなく、広告やメディアとの連動、店舗でのVMDなど日本のクリエイティブな仕事全体にその基礎を作り、現在もその影響が多方面に残っていることです。

このVANのピーク時と1970年代に倒産して以降、元VANの社員は様々な別の道に進んで活躍し続けています。日本のファッション業界のみならず広告やメディア、店舗デザインなど、今もなお誰もが知っている店やブランドとして発展しているものがいくつもあります。

私は小学生の頃をNYで過ごしたのですが、アメリカで目にした一番輝いていた世界を、中学生で日本に戻ったらVANが上手く編集して紹介していた記憶があります。

VAN出身の人が始めた新たなジャンルには実に様々なブランドや会社がありましたが、その一つがアルファキュービックです。サンローランを日本に紹介し、レノマを社会現象の様に大流行させた会社で、ヨーロッパのファッションとモードを初めて日本で本格的に紹介し浸透させました。アルファキュービックの創始者であった柴田さんはVANの出身者で、ファッションの世界では伝説的な存在です。当時、私は中学生から高校生で、ファッション的なませガキでしたが、この様な格好良い先輩たちの活躍をいつも原宿や青山で見ながら大人へと成長して行きました。

mandoをデザインする高巣満導さんはアルファキュービックの出身です。時々、高巣さんとお話しすると1970年代から80年代に掛けてアルファキュービック時代に高巣さんたちが築いていた世界を懐かしそうに話して下さり、その時代が非常にキラキラしていたことを感じさせます。

でも高巣さんは全く過去の人ではなく、今こそ大活躍しています。自分が良く行くショップであるディストリクト ユナイテッドアローズでは10年以上前からmandoを紹介していて、このブランドのことを知りました。その後、ファンになり、3年ほど前に高巣さんと知り合い、展示会に伺ったり、飲みに連れて行ってもらうようにもなりました。きっかけはウチの店舗デザインを一緒に考えてくれているシー・ユー・チェンさんです。チェンさんはグローブスペックスの一番最初からのお客様でもあります。

チェンさんは単なるインテリアデザイナーではなく、トータルブランディングのコンサルと実施を行う会社、CIAの代表で都市開発からプロダクトデザインなども行っています。ロスと日本に何軒もの伝説的な店やレストランを企画して立ち上げたり、音楽の世界にも深く関わり、なんとユーミンの名付け親でもあります。

数年前にチェンさんがある離れ島のリゾートのプロジェクトに携わり、その小型飛行機のパイロットの制服を考えている際、たまたま私が着ていたmandoのスーツを気に入り、そのデザインの橋渡しをお手伝いしたことが私と高巣さんの出会いにも繋がりました。

後から分かったのですが、チェンさんはアルファキュービックの全盛時代に、アルファキュービック・インターナショナルとアルファキュービック・アメリカの社長を務めていました。偶然にも高巣さんとチェンさんは昔の同僚だったのです!

それ以来、毎回mandoの展示会にはチェンさんと一緒に楽しく伺っています。

先日、行われた展示会も一緒に行ってきましたが、やはりいくつもステキなデザインのものがありました!

中でも特に気に入ったのが、高巣さんのお知り合いであるアーティスト、出石美菜子(Mina)さんの絵をプリントしたシャツです。色彩と画風が非常にステキで、一目惚れしました。

先日、紹介したゲルノットもそうですが、何かに打ち込んでクリエイティブな活動を行っている先輩たちは非常に輝いて生き生きとしています。皆力強い目力を持っていて鋭い表情をする時もありますが、一方で子供のように無邪気な時もあります。そしてその先輩たちは若い時から自分たちの感性とチャレンジで全く新しいものを創造して人を感動させていましたが、今もそれをずっと続けています。格好良いです! 自分も見習って頑張り続けようと思います!

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