昨年のNHK大河ドラマ「いだてん」をまとめ観した。こういう連続ドラマというのは、動画配信やマンガのコミックスと同じで、ビンジウォッチングに向いてる。毎週観るのは見逃すこともあるし、長期に渡るので以前のエピソードが記憶に残ってなかったりするから。
物語は前半も良かったんだが、物語の後半の主人公である阿部サダヲ演じるマーちゃん編の方に入れ込んだ。舞台となっている昭和の時代は、高度成長が始まった頃からバブルまでがやはりみんな明るくて希望がある。この失われた30年とは対照的だ。
オリンピックをやろう、日本を世界に売り込もうという熱量にぐっときた。
ドラマが終わって、よし来年は2度目の東京オリンピックだと盛り上げてくれたが、どうやら様子は違ってきた。2度目の開催ではなく、2度目の中止が現実味を帯びてきたからだ。ドラマの前半部にもあったが、東京でのオリンピックは1940年に開催が予定されていたのだが、戦争のため中止になった。
歴史はまた繰り返すのか。
昨日社内でミーティングしたのだが、どう考えてもいまのスケジュールでオリンピック開催するのはムリだなという話に落ち着いた。もちろん開催して欲しいが、気合と根性で乗り切れるものではない。
だいたいコロナウイルスの感染者数が東京でこんなに低いわけがない。フェルミ推定すればわかりそうなものだ。長いが以下、wikipediaから引いた説明を引用する。
(以下、引用)
例えば「東京都内にあるマンホールの総数はいくらか?」「地球上に蟻は何匹いるか?」など、見当もつかないような量を推定する。
フェルミ推定で特に知られているものは、「アメリカのシカゴには何人(なんにん)のピアノの調律師がいるか?」を推定するものである。これはフェルミ自身がシカゴ大学の学生に対して出題したとされている[6]。
この問題に対して、例えば次のように概算することができる。
まず以下のデータを仮定する。
- シカゴの人口は300万人とする
- シカゴでは、1世帯あたりの人数が平均3人程度とする
- 10世帯に1台の割合でピアノを保有している世帯があるとする
- ピアノ1台の調律は平均して1年に1回行うとする
- 調律師が1日に調律するピアノの台数は3つとする
- 週休二日とし、調律師は年間に約250日働くとする
そして、これらの仮定を元に次のように推論する。
- シカゴの世帯数は、(300万/3)=100万世帯程度
- シカゴでのピアノの総数は、(100万/10)=10万台程度
- ピアノの調律は、年間に10万件程度行われる
- それに対し、(1人の)ピアノの調律師は1年間に250×3=750台程度を調律する
- よって調律師の人数は10万/750=130人程度と推定される
フェルミ推定では、前提や推論の方法の違いによって結論にかなりの誤差を生じることもある。フェルミ推定を模倣したケーススタディと呼ばれるテストが、80年代90年代のアメリカ企業の採用活動でよく行われていた。
北海道や大阪よりも人口の多い東京の方が感染者数が少ないと信じている世界の知識人はどれくらいいるのだろうか。
感染者数にかかわらず、5月までにはコロナの勢いが衰える可能性に賭けたいが、この度の災害は自然災害のように限られたエリアだけのことではないからやっかいだ。よしんば日本が封じ込めに成功しても、世界で収まってなければいずれにせよ無理である。さらなるウイルスの蔓延を阻止するため彼らを受け入れることはできない。できるならいま中国や韓国からの渡航客を止めいてる行為に矛盾する。
フェルミ推定のことは、あの東日本大震災の後に知った。ある学者が震災後数日の時点で死者・行方不明者の数を連絡の取れなくなった警察官の数から逆算したというのである。そしてほぼ正確な被害者の数が導きだされたそうだが、その数のあまりの多さにマスコミは信じられず、あるいは信じたくないから報じられなかったという。あくまで推定だし。
今日はあの大地震からまる9年。あの日もこんなふうに晴れていた。あの日からおよそ3週間は、先のことが不安で仕方がなかった。9年たった今日、また違う災害で同じような不安感に向き合っている。
世界は良くなっているのか。戦争、飢饉、疫病を克服するのが人類繁栄の基本であるが、今回はその疫病に人類が震えている。