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BLOG - 小林孝行(flotsam books オーナー)

良い店の条件

photographs by Samantha Samasa @samanthasamasa

こんにちは。
先日イベントの告知をしましたので。
今日は改めてしないですけど。

ま、今一応リンクは貼ったけども。
来て欲しいんだけど。
店が狭いから。
人が来すぎても困るな。
とも思ったり。
でさ。
先日さ。
俺も不安になって。
商店街の会長にさ。
言ったの。
「あ、あの。」
つって。
「なんだね?」
ってなもんですよ。
「実は、ですね。」
つって。
「実は、なんだね?」
って。
「そのーですね。」
つって。
「だから、実は、そのー、なんだね?」
って。
いや。
ちょっと怒ってるじゃん。
もう。
俺が何か言う前に。
こっちはさ。
繊細さをさ。
売りにしていこうと思ってんだよ?
とか思うじゃん?
ま。
向こうからしてみたら。
知らねえよ。
って話だけども。
で。
「今度の15日の土曜日にウチの店でイベントやるんですよ。」
って伝えたら。
「へー。だから?」
みたいな顔する訳。
で。
「あー、このお爺さん『イベント』って言われてもわかんなかったかな?」
とか思うじゃないですか。
「違うよ?別に10連ガチャが無料とかじゃないですよ?」
とか言おうかと思ったけど。
もっとわかんないじゃないですか。
で。
もうそのまま。
「で、まあ、ウチの店狭いし、入りきらないかもしれないんですよ、お客さんが。店外にあふれちゃうかもしれないんですよ。」
つって。
言ったら。
会長。
「は(笑)?お前の店が(爆)?」
って顔してさ。
「うっ」
って思ってなんか言おうとしたら。
「お前の店、いつ見ても誰もいねえじゃねえか。」
みたいな顔になってんの。
もうさ。
こっちも。
なんかそんな気がしてくるじゃん。
いや。
わかんないけど。
で。
fxxx!!!!
って思いましたよね。
俺も。
で。
そんなことは良いや。

少しだけ真面目な話。
ずっと考えていたことがあるんですよ。
お店について。
良い店ってなんだろう。
って。
最近答えがなんとなく見えたので。
今日はそれを書こうと思う。

昔は。
誰にも負けたくなかったんですよ。
若い頃は誰だって似たり寄ったりだとは思うけど。
競争社会に生きているから。
一番になりたい。
って訳じゃないけど。
負けたくないとは思ってました。
俺も。
普通に。
で。
何年か前に取引先のおばさんにそう伝えた時に。
「小林さん、負けるって何ですか?」
って言われたのを今も覚えている。
その頃の俺は。

誰よりも、他のどこよりも早く新しい本を仕入れたかった。

どこのお店より良い品揃えをしたかったし。

良い本を売っていたかったし。

さらに言えばリーズナブルな価格で販売してたかった。

でも。
今思うと。
本当は勝ちも負けもなくて。
ただ俺が1人で他の誰かと、どこかのお店と比べて自分の至らなさにもどかしく思っていただけなんだろう。
そう思う。

ただ、最近。
良いお店の条件ってなんだろう。
って改めて思った時に。
俺が思う良い店の条件は一つだけだと気がついた。
売り上げが多い店が良い店か?
良い商品を売ってる店が良い店か?
良い商品をたくさんん揃えてるのが良い店か?
良い店主が、良いスタッフがいる店が良い店か?
部分的にはそうだろうけど。
そうじゃないと思う。
売り上げや、商品なんて。
一時的なもんだと思う。
そうじゃなくて。
多分、良い店って良いお客さんがいるってことだと思う。
困ってる時に無理して買ってくれるとか。
そういうんじゃなくて。

あそこに行けばあるんじゃないかって思ってくれるお客さんのことだし。

店主が商品を見ながらこの商品好きかもって思い浮かぶお客さんのことだし。

買う買わないは別にしてブレないで欲しい商品だけ定期的に確認に来るお客さんのことだし。

こっちの意図をわかってくれるお客さんのことだし。

こんな駄文を読んでくれてるあなたが居てくれることだと思う。

もちろん俺の基準だから。
全部がそうだとは思わないけど。
「良い」っていう漠然とした基準もどうかと思うけども。
それでも良いお客さんがいたお店は。
お店が無くなったとしても。
あの店良かったんだよな。
って言われるんだと思う。
ウチの店は俺自身は別に取るに足らないどうでも良い人間だし。
個性や感性やセンスなんて糞食らえだと思っているし。
品揃えだってそんなすごい訳でもない。
接客だっていい加減だし。
値段だって安くないし、高くもない。
売り上げだってその辺の小売業の人より全然少ないと思う。
でも、ウチのお客さんはすごいと思うよ。
こんな駄文読んで面白いって言ってくれる人もいるし。
来るとなんか買っちゃうなあって言ってくれる人もいるし。
こういうの探してたんですよって言ってくれる人もいるし。
俺の店で販売して欲しいって言ってくれる作り手の人もいるし。
今回のイベントを面白がって引き受けてくれたモリサキさんとか。
マジ最高って思った。
なのでウチ、良い店です。
遊びに来てね。

イベントは15日の土曜日からです。
よろしくお願いします。

今日の写真は @samanthasamasa くん。

Samantha Samasa(サマンサ・サマサ)
2000年生まれ。写真活動の他にカレーセッションプランナーとして暗躍中。

 

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