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渋谷ヒカリエ裏手にあるビルの地下にNANZUKAとCASE TOKYOがあるこのふたつのギャラリーで白黒写真のポートレイト展が開催中だ。NANZUKAでは鬼海弘雄の展覧会「や・ちまた」、CASE TOKYOでは百々俊二特別展「大阪ポートレート」が開催されている。期を同じくして白黒写真のポートレイト展が開催されているので存在感ある写真の魅力を堪能できるチャンスである。鬼海弘雄は様々な職を転々としたのちに写真家になることを決意し1973年より東京の浅草で出会った人たちを撮り続けた。愛用のハッセルブラッドを手に一日の大半を行き交う人々を観察し何かを感じ取った人に声をかけて撮影したという。一日に撮影する人は一人二人、多くても三人ほどだったというが職人、失業者、水商売、老人、学生、主婦、ヤクザ、職業不明者など様々な人々のポートレイトを捉えている。一方の百々俊二は1976年から大阪の新世界でそこに暮らす人々や行き交う人々を二眼レフカメラで撮影した。大阪の下町で育った百々俊二にとって動物園があったり美術館や映画館があり昼間から酔っ払った人や水商売の女が立つ新世界の界隈は昔から馴染みのある場所だった。同じような時期に東京と大阪、浅草と新世界に暮らす人々を捉えたポートレイトは貴重な記録でもあると思う。ポートレイトはその人のそのままを捉えつつもそこに深い洞察力で直感的な瞬間を切り取る才能を試される写真だと思うがどちらの展覧会も見応え十分なのでおすすめしたい。パリフォトもニューヨークで開催されるなど世界的にも写真への関心はさらに高まりつつあるように思うので今後が楽しみである。

NANZUKAで写真展が開催されるのは今回が初めてだ。

ガラス反射がきつかったので接写できなかったがこんな感じだ。

ハッセルブラッドにて撮影しプリントされた鬼海弘雄の作品。

百々俊二特別展と題された写真展では当時の風俗が見られる。

大阪の下町、新世界に暮らした人々を捉えている。

二眼レフカメラで撮影された写真はリアリティーがすごい。

グレーのトーンがとても繊細で微かな表情を写している。

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