『LIVE A LIVE』32周年。

1994年。
小学校を卒業し、中学校という新しい環境に入った年。
そして、アメリカでワールドカップが開催された夏。
自分にとって、その頃の記憶と一緒にあるのが『LIVE A LIVE』です。
幕末、西部、近未来、原始、功夫、現代、SF。
時代も場所も主人公もまったく違って、一編を遊び終えるたびに、それぞれの国や時代を舞台にした一本の映画を観終えたような感覚がありました。
中でも、自分は香港生まれなので、功夫編には特別な親近感がありました。
当時は今のように、分からないことがあればすぐインターネットで攻略法を調べられる時代ではありません。
しかも自分はまだ日本語がほとんど分からなかったので、画面に出てくる漢字を拾いながら、「たぶんこういう話なんだろう」とストーリーを想像してゲームを進めていました。
それでも、どうしても分からなかったのが近未来編。
寿商会でブリキ大王を動かす方法が分からず、完全に行き詰まってしまいました。
結局、ゲーム屋のお兄さんに聞きに行って、中国語の攻略情報をようやく見つけてもらい、やっと先へ進むことができました。
「昭和の男に無理なんて言葉は通用しねぇぜ…男 無法松…!無理を通してみせるッ!!」
まさにこの近未来編のセリフのままでクリアできました。
今なら数秒検索すれば答えが出てくるようなことですが、あの頃はゲームの中で迷うことも、答えを探すことも含めて、一つの思い出になっていた気がします。
そして『LIVE A LIVE』といえば、下村陽子さんの音楽も忘れられません。
ゲーム内のサウンドルームを開いて、好きな曲を流して聴いていた記憶があります。
ゲームを進めるためではなく、ただ音楽を聴くためにゲームを起動する。
それくらい音楽も、この作品の記憶として強く残っています。
そして、この『LIVE A LIVE』を生み出したオリジナル版ディレクターの時田貴司さん。
今年還暦を迎えられた時田さんが32年前に作った作品を、当時遊んでいた自分が今こうして振り返っていると思うと、改めて時間の流れを感じます。
あれから32年。
ゲームのグラフィックや技術は大きく進化し、遊び方も、ゲームを取り巻く環境もまったく変わりました。
それでも『LIVE A LIVE』という作品そのものは、不思議なくらい歳を取っていない。
今遊んでも決して古く感じないし、むしろ新鮮に感じるところさえあります。
それぞれの時代に一本の映画のような物語があり、キャラクターがいて、音楽があって、人間の感情がある。
だからこそ、32年経っても色褪せないのだと思います。
そして今でも、熱い心を呼び覚ましてくれる作品です。
1994年。
ワールドカップの夏、新しい中学校生活、そして『LIVE A LIVE』。
あの時代に、このゲームに出会えて本当に良かった。
そして、まだ『LIVE A LIVE』を遊んだことがない方には、ぜひリメイク版をおすすめしたいです。
32年前のゲームだからと構えずに、一本一本、違う時代の映画を観るような感覚で遊んでみてください。
ちょうど今はセール中とのことなので、この機会にぜひ。
きっと「昔のゲーム」という印象では終わらない作品だと思います。
『LIVE A LIVE』32周年、おめでとうございます。
