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BLOG - 蔡 俊行(フイナム発行人)

飛び恥

近年、あらかじめアレンジされた飛行機のチケットを渡されて赴く出張がちょくちょくある。北海道だったり、九州だったり。以前、この欄にも書いたかもだが、ANAの犬としてせっせとマイルを溜め込んでいるもんだから、スーパーフライヤーズ会員になって20年くらいになる。ある一定のマイルを貯めるか、それなりの登場回数を越えると得られるクレジットカードに付帯する半永久的な資格のことだ。要するに上級会員としてのベネフィットがずっと得られるあれである。

そんなわけで送られてきたチケットがANAのものであればまったくストレス感じないですいすいとチェックインを済ませてラウンジなんかでコーヒー飲んでる。ここ十数年間はずっとそうであった。

しかし一昨年くらいからJAL便のチケットが用意されることも少なくなくなった。そうなると利用するターミナルも違うし、それよりなんのサービスも受けられない。そのアウェイ感たるや。しかしそんなことを呪っても詮無いこと。

今年1月、おおよその年間予定を立てたところ、海外出張が上半期だけで3つ入っていた。これはこちらで購入しなければならないチケットだ。以前であれば何も考えずにANAを購入するところであるが、もしかするとJALにも同様なサービスがあるのではないかと調べたらJALグローバルクラブという名前であった。会員になれる条件を読むと今年一年でなんとかなるかもしれない。ということで、今年はJALを使うことにした。

とっかかりの上海から、パリ、そして今回もパリ経由のヨーロッパ数国。もちろん国内出張もJALで頑張った。

そしてついにグローバルクラブに入会できる資格のクリスタル会員になれた。こういうのを修行というらしい。晴れて修行した身としてこれで来年からは大手を振って日本の二大航空会社の顧客としてアウェイ感なく国内外を旅できる。

しかし、である。この頃こうした飛行機旅はどうやらヒップではないらしい。特にミレニアル世代にとっては。

CO2排出量の2%を担う飛行機移動について、環境保護団体というより、若い急進的なグループがノーを突きつけているのだ。

このことをスエーデンでは「フリュグスカム」(flygskam=飛ぶのは恥)といい、英語では「フライング・シェイム」(flying shame)と呼んでいる。日本語では標題のように「飛び恥」だ。

グレタ・トゥンベリさんがCOP25のために大西洋をヨットで渡ったのもこれである。

飛んで恥をかく。

いやはや、フリークエントフライヤープログラム会員の話をしている場合ではなかった。

 

 

 

 

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