BLOG - 蔡 俊行(フイナム発行人)

若者に支持されているブランド

 お待たせしました。お待たせしすぎたかもしれません。

 フイナム編集部員と一緒に考えた「いまヒップなブランド」の紹介です。

 遡ること40年以上前、高校生だったぼくは、雑誌などの「知っておくべきブランド」とか、「ブランド大全」のような特集で、ファッションの知識を徐々に蓄えていった。または「お店ガイド」とかね。当時の編集者やライターたちが集めて整理してくれたそれらの知識が、その後大いに自分を助けてくれた。そして今日、こんな仕事をできるまでになった。感謝しかない。

 20代半ばでPOPEYE編集部にお世話になった時、初期に担当したのがこうした「ブランド特集」だった。当時の先輩編集者から<エルベ・シャプリエ>やら<バカラ>、<クリストフル>だのそれまで聞いたことのないブランド名を聞かされ、何日もかけてそれらプレスルームなどを回り、商品を借りてきて撮影したものだ。

 ここに並ぶものは、フイナム編集者のバイヤスがかかったチョイスである。万人が納得するものではないかもしれない。しかし、私たちと仲間になりたいという人は知っておいた方がいいブランド群である。社内の人もこれきちんと読んで把握しといてください。ある種、社内常識問題とも言える。

 これはまたある意味、ペイフォワード精神でもある。今日の自分の礎を作った情報を写真やきちんとした原稿はないが、ここに記す。ファッションに関連する仕事を志す、あるいはおしゃれに興味が出てきた人たちの参考になればよいのだが。

 本日はその第一弾「若者に支持されている」というくくりで整理した。

 寸評は、フイナム編集部のエース、Tくんだ。

 ぼく自身も知らないブランドがいくつもある。ではまいります。

 

A.PRESSE(アプレッセ)

アメリカ古着を参考にした服を提案。ドメスティックブランドの中で価格帯は高めだが、それでも新作が発売されるたびにすぐに売り切れ。重松一真さんのブランド。

 

AURALEE(オーラリー)

2024-25年秋冬からパリ・ファッション・ウィーク公式スケジュールに参加。クワイエット・ラグジュアリーのトレンドも追い風となって、海外での評価も高い。ショーのスタイリングを担当するシャーロット・コレットの手腕によるところも大きい。

 

COMOLI(コモリ)

人気のアイテムは即完するほど、変わらず好調の様子。いま上質でベーシックな服が人気を集めているが、その最たる例。

 

DAIWA PIER39(ダイワピア)

元BEAMS中田慎介さんがディレクション。フィッシングウェアをベースにした、機能的な日常着を展開。少し前のピーク時よりは少し人気が落ち着いてきたか?

 

Graphpaper(グラフペーパー)

南貴之さんが手がける。質にこだわったベーシックなワードローブは、若者だけでなく30,40代からも人気。

 

FUTURE ARCHIVE(フューチャーアーカイブ)

BEAMSの若手バイヤー飯塚昴さんが主導となって2022年にはじまったBEAMSの中でも異端のレーベル。未来のアーカイブを生み出すという思いのもと、Y2Kムードのアイテムを展開。明治通り沿いに本レーベル単独のお店がある。

 

BROCHURE(ブローシャー)

BEAMSバイヤー加藤忠幸さんが手がけるプライベートブランド。

 

everyone(エブリワン)

元1LDK三好良さんが始めたショップ「everyone」のオリジナル。お店はアポイント制で、予約枠はすぐ埋まる。

 

ALWAYTH(オルウェイズ)

デザイナーを公表しない匿名的なブランド。数々のファッションブランドのコラボやディレクションも手がけ、影のフィクサー的に活躍。

 

スタイリスト私物

スタイリスト山本康一郎さんのブランド。いまだに販売は抽選方式で買えないことも多いそう。在原みゆ紀さんをはじめとする、インフルエンサーや芸能人が着用している影響も大きい。

 

ssstein(シュタイン)

「FASHION PRIZE OF TOKYO2025」を受賞し、前回のパリファッションウィークに参加。コモリやオーラリーなど同じ枠組みで人気の印象。

 

TTT MSW(ティー)

ブランド名のMSWはモダンストリートウェアの略。キャッチーなカジュアルウェアは性別問わず人気。

 

DAIRIKU(ダイリク)

毎シーズンテーマとなる映画を決め、そこから着想を得たコレクションを発表。ベースはアメカジ。昨年、ブランドとして山崎健人ら出演の短編映画を制作するなど、面白い動きを見せている。

 

PWA(プア)

アパレルOEMメーカーが始めたブランド。ラフでちょっとしたギミックを備えた服はデイリーウェアとしてちょうどよく、価格も手頃。昨年、駒沢にコンセプトストア「moves」もオープン。

 

Kiko Kostadinov(キココスタディノフ)

セントマ在学中からストゥーシーとコラボするなど話題を集めていたキコ・コスタディノフによるブランド。アシックスとの継続的なコラボレーションも人気を集めている。ブランド初となる直営店を原宿にオープンしたことからも日本での人気が伺える。

 

OUR LEGACY(アワーレガシー)

スウェーデン発のブランド。北欧らしいミニマルなデザインで人気を集めていて、服好きの若者にファンが多い。初期のマルタンマルジェラを彷彿とさせるという声も。

 

Acne Studios(アクネストゥディオス)

ミニマルでクリーンなデザインから方向転換し、最近はアクの強いデザインや加工が増えてきていて、それが若者にウケている。今年7月には青山に世界最大の旗艦店をオープン予定

 

NOAH(ノア)

元Supremeのデザインディレクター、ブレンドン・バベンジンが手がける。スケートやサーフがベースとしてありながら、プレッピーなアイテムも展開。ストリートブランドの枠におさまらないラインナップが他になく面白い。

 

Aimé Leon Dore(エメ レオン ドレ)

ニューヨークのストリートカルチャーとヨーロッパのクラシックなスタイルを融合させたスタイルが特徴。ラルフローレンからの影響が色濃い。ディレクターのテディ・サンチェスは、New BalanceのMade In USAのクリエイティブディレクターも務めている。

 

JJJJound(ジョウンド)

カニエ・ウェストのクリエイティブ集団「DONDA」で数多くのプロジェクを手掛けてきたジャスティン・サンダースによる、カナダ・モントリオールのデザインスタジオ。ニューバランス、ヴァンズ、リーボック、A.P.C.などとコラボレーションするなど、多くのグローバルブランドがラブコールを送る存在。オリジナルアパレルも展開している。

 

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