ジャム理論というのがある。経営学教授のシーナ・アイエンガーという人が実験・立証したもので、24種類のジャムを並べた場合と6種類並べた場合、どちらが良く売れたかというテストだ。結果は前者が3%に対し、後者が30%。人間は選択肢が多すぎると選べない、というか決定を先送りしてしまう動物らしい。
これは日常よくあることだ。会社のドアの調子が悪いので、ドアを修理するついでにスマートロックを導入しようとあれこれ調べているのだが、バリエーションが多すぎてどれを選んでいいのかわからない。家電量販店の店頭で店員さんに相談してもニッチ商品ゆえ知識不足で用を為さないし、問い合わせしようにもどこが窓口かわからない。というかイマドキで電話番号の記載がない。少々込み入った相談がしたいのでメールでは無理。
こういうのはスマホの買い替えや、年金受給年齢を決めなくてはならないなどあらゆるところでどっちが得か一概に言えない状態に置いてけぼりにされる。
ぼくはこれを新自由主義の呪いと呼んでいる。国や社会が規制を排除するからすべてお前個人で決めろというのがこの新自由主義。
油そば屋にいけば、10種類の調味料をお好きにアレンジしろとかあるけど、こういうのはもうお店の方で決めて欲しい。
自由主義社会で自由を謳歌しているはずなのに、お上にあらゆるところを決めて欲しいという奴隷根性が頭を擡げる。なんなんだろう。DNAに服従の遺伝子が濃く刻まれているんだろうか。